睡眠不足は「空腹感」を増加させる
2008年のリューベック大学の研究で、一晩の睡眠不足がグレリンレベルと空腹感にどのように影響するかを調査しました。
対象となったのは健康な正常体重の男性で、研究では4.5時間の睡眠と完全な睡眠不足の一晩を比較しました 。
研究の結果
研究の結果、一晩の睡眠不足がグレリンレベルの上昇と空腹感の増加を引き起こすことが確認されました。
具体的には、睡眠不足の状態ではグレリン(食欲を刺激するホルモン)のレベルが顕著に上昇し、空腹感も強く感じるようになりました 。
結論
この研究は、睡眠不足が食欲調節に重要なホルモンであるグレリンの分泌を増加させることを示しています。
グレリンの増加によって、睡眠不足が肥満や体重増加のリスクを高める可能性があることが示唆されます。
睡眠不足になると高カロリーの食事を選びがち
2017年キングス・カレッジ・ロンドンの研究は、部分的な睡眠不足(PSD)がエネルギーバランスにどのように影響するかを調査しました。
具体的には、睡眠不足がエネルギー摂取量(EI)とエネルギー消費量(EE)に与える影響を評価しました。
研究の結果
研究の結果、部分的な睡眠不足はエネルギー摂取量を平均で385 kcal増加させることが確認されました。
対照的に、エネルギー消費量や安静時代謝率には有意な変化が見られませんでした。
また、脂肪の摂取量が増加し、タンパク質の摂取量が減少する傾向がありました。
結論
この研究からは、睡眠不足がエネルギーバランスの乱れを引き起こし、長期的には体重増加のリスクを高める可能性があることがわかりました。
睡眠不足は男性の食事摂取量を増加させる
2010年のブルゴーニュ大学の研究で、睡眠時間の短縮が健康な男性のエネルギー摂取量と身体活動にどのように影響するかが調査されました。
この研究では、12人の健康な若い男性を対象にしました。彼らは2つの異なる状況を経験しました。
一つは部分的に睡眠時間が短くされた状況、もう一つは通常の睡眠時間が確保された状況です。
各参加者は両方の状況を試し、その結果を比較する方法を取りました。これにより、睡眠不足が食欲や食事の量に与える影響を調べました。
研究の結果
睡眠不足により、食事のエネルギー摂取量が増加し、特に高脂肪食品の摂取が増えることが確認されました。
さらに、グレリン(空腹ホルモン)のレベルが上昇し、レプチン(満腹ホルモン)のレベルが低下しました。
これにより、食欲が増進され、食事の量が増えることが示されました。
結論
この研究は、睡眠不足が食欲を刺激し、エネルギー摂取量を増加させることを示しています。
長期的な睡眠不足は、肥満のリスクを高める可能性があるため、十分な睡眠が重要です。
アクションプラン
睡眠不足な方は、
健康的な生活を維持するためには、睡眠と栄養のバランスが不可欠です。
まずは、毎晩7-9時間の十分な睡眠時間を確保することから始めましょう。
就寝時間と起床時間を一定に保つことで、体内リズムを整えることができます。
睡眠不足の日は特に食事に気をつけましょう。
高脂肪・高カロリーの食品への欲求が強まる可能性があるため、意識的にタンパク質を含む栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
空腹感が強く感じられる日は、睡眠不足が原因かもしれません。そんな時は軽い運動を取り入れて、食欲をコントロールするのも良いでしょう。
就寝前のブルーライト露出を減らし、リラックス法を実践するなど、全体的な生活習慣の改善も重要です。これらの取り組みは、睡眠の質を向上させ、結果として食欲のコントロールにも役立ちます。
最後に、自身の状態を把握するために、睡眠時間と食事内容を記録し、体重の変化をモニタリングすることをおすすめします。
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