クレアチンは筋肉量を増やして、運動パフォーマンスを高める。

クレアチンは筋トレにどのように作用するのか?運動パフォーマンスにどう影響を与えるのか?

論文によって紐解いていこう。

目次

クレアチンは筋肉量と無脂肪体重の増加させるのか?

2020年のマクマスター大学の研究でチームは、クレアチンを短期間で大量に摂取した場合の効果を調べた。

健康な男女30人を対象に、1日20gのクレアチンを5日間摂取させ、その後、体重、筋肉量(除脂肪体重)、血圧、血液中のクレアチンや筋肉酵素の変化を測定した。

この実験はランダム化二重盲検法で行われ、公平性を保つために参加者はクレアチンかプラセボ(偽薬)のどちらを摂取しているか知らされなかった。

(信頼度:Cランク)

研究の結果

この研究によると、クレアチンを摂取したグループは、体脂肪率に変化がないまま、除脂肪体重(筋肉量)が増えたことが確認された。

特に男性ではその効果が大きく、平均で約1キログラム増加した。

一方で、血圧や血液中のクレアチン濃度、筋肉の力には有意な変化は見られなかった。

また、クレアチン摂取が腎臓機能に悪影響を与えないことも確認された。

つまり、短期間のクレアチン摂取は安全で効果的である可能性が高いという結論に至った。

クレアチンは運動パフォーマンスに好影響を与えるのか?

2003年のOld Dominion Universityの研究では、クレアチンというサプリメントが体の筋肉や体重、そして運動パフォーマンスにどのような影響を与えるかを調べた。

特に、運動の種類や時間、サプリの飲み方などによって結果がどう変わるかを比較した。

(信頼度:Aランク)

研究の結果

クレアチンを摂取することで、筋肉が増えたり、短時間で高強度の運動を行う際に、わずかながらパフォーマンスが向上することがわかった。

体内のクレアチンレベルが高いアスリートは運動能力が10〜15%ほどアップ

特に、短期間でクレアチンを集中的に摂取する「ローディング」という方法が効果的だった。

上半身の運動においては、下半身や全身の運動よりもクレアチンの効果が大きかった。

また、実験室での筋力トレーニングでは効果が高いが、ランニングや水泳といった運動にはあまり効果が見られないことも判明した。

しかし、持久力が求められる運動(例えば、ランニングや水泳)では、クレアチンの効果はほとんど見られなかった。

筋トレ歴が長い人でもクレアチンは効果があるのか?

2017年のロンドリーナ州立大を中心とした研究に、43人の若い男性(平均22歳)が参加した。

彼らは、筋トレの経験があり、2つのグループにランダムに分けられた。

一方のグループにはクレアチンを与え、もう一方には偽物の薬(プラセボ)を与えた。

クレアチンを摂取したグループは、最初の1週間で1日4回、多めにクレアチンを摂取した(これを「ローディング」と呼ぶ)。

その後の7週間は、1日1回の少量のクレアチンを飲み続けた。

トレーニングは週4回行い、月曜日と木曜日には胸や肩、腕、腹筋を鍛え、火曜日と金曜日には背中や太もも、ふくらはぎを鍛えた。

筋肉の量は、トレーニングの前後で特別な機械を使って、上半身、下半身、胴体それぞれの筋肉量を測定した。

(信頼度:Cランク)

結果

クレアチンを摂取したグループは、プラセボグループに比べて、筋肉が大きく増加した。特に上半身の筋肉量の増加が顕著なのが驚きだ。

・上半身の筋肉量が平均7.1%増加
・下半身の筋肉が3.2%、胴体の筋肉は2.1%増加

一方で、プラセボを摂取したグループでは、筋肉量の増加はほとんど見られなかった。

上半身の筋肉は平均1.6%増えたが、下半身と胴体はわずか0.7%しか増えなかった。

まとめ

短期間で筋肉量を増やしたい人へ
クレアチンを「ローディング」方式で短期間に集中的に摂取することを検討してください。特に上半身の筋肉増加に効果が期待できます。

筋力トレーニングを行う方へ
クレアチンは筋肉量の増加に寄与し、特に短時間で高強度の運動を行う際に効果的です。週4回のトレーニングに取り入れて、胸や肩、腕を中心に鍛えると良いでしょう。

持久系スポーツをしている方へ
クレアチンの効果は短時間の高強度運動に限定されるため、ランニングや水泳のような持久系運動をしている場合には、効果が限定的であることに留意してください。

初心者から経験者まで
筋トレ初心者だけでなく、経験者でもクレアチンは筋肉量増加に有効です。筋トレ歴が長い人でも、クレアチンを取り入れることで、さらなる筋肉量の増加が期待できます。

・安全性を確認したい人へ
クレアチンは短期間の使用であれば腎臓機能に悪影響を与えないことが確認されています。健康な成人が適切な量を摂取する限り、安全に使用できます。

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この記事を書いた人

1992年生まれ。ウェルネス特化の映像/Web制作会社のOurTime株式会社代表取締役。社会人として働き始めてから、ストレスと不規則な生活により皮膚疾患である「乾癬」を発症する。そこから、健康について真剣に考えるようになり、「男性のビジネスマン」に対してウェルネスに関する知識を発信するwellnessformenを運営中。

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